悪徳商法

消費者契約法と特商法

昨今ではさまざまな消費者トラブルが発生し、行政としても消費者保護のための法律をつくり事業者からの一方的な勧誘や、不当な契約条項をおしつけるなどの行為に規制をかけています。
この法律の代表的なものに、「消費者契約法」と「特定商取引法」があります

消費者契約法と特定商取引法の基本

「消費者契約法」の目的は(第1条)、消費者と事業者の間の情報の質や量、交渉力に格差があり、
 ・事業者の一定の行為により、消費者が誤認したり困惑したとき取り消しができる。
 ・事業者の損害賠償責任を免除する条項等消費者の利益を不当に害する条項の全部または一部を無効とする。
としています
この法律は、消費者と事業者の間のすべての取引(労働契約は除く)に適用されます。

このように「消費者契約法」は、消費者を保護するために一定の不当条項の無効と、一定の場合における消費者の契約取消権を定めたもので、あくまで民事上の権利関係について定めたものです。

これに対し、「特定商取引法」は経済産業省が業者を取り締まるための“業法”です。
悪質な業者の出現に、それを追いかけるような改正としてクーリングオフや取消権などが加わり少しずつ消費者保護が手厚くなってきています。それでもいまだにその目をかいくぐった新手の悪質業者の仕業をマスコミが報じる一幕もあります。
業法という性格からもこの「特定商取引法」に定められている禁止行為を行うと行政処分や刑事罰の対象となります。最近では、某大手英会話スクールが特定商取引法違反で経産省から一部業務停止処分をくらっていたのをご記憶の方も多いと思います。

このように「特定商取引法」では、消費者トラブルが多い各種の取引形態(訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供取引、業務提供誘引販売取引など)にクーリングオフ、取消等の規制をかけています。

消費者契約法と特定商取引法の使い分け

契約解除をする場合に、特定商取引法や消費者契約法に優先・劣後関係はありませんから、いちばん有利なものを使って契約をなかったことにすればよいわけで、下記のどの方法を使うかは事案ごとに異なりますが、クーリングオフが一番確かで便利です。
クーリングオフの場合は、業者に商品の引取義務が生ずるほか、業者から損害賠償や違約金の支払請求ができなくなる点でさらに有利なのです。

  1. 特定商取引法による解除(クーリングオフ)
    特定商取引法の訪問販売に対し契約内容を記載した書面の交付を受けた日から起算して通常の場合8日以内です。
    ただし、契約書に特定商取引法の要求する必要的記載事項が全部書かれていなければ、特定商取引法のいう「書面の交付」があったとは認められませんから、クーリングオフ期間は延長されます。すなわち、期間に関係なくクーリングオフできるということです。
  2. 錯誤無効
    (1)意思表示に錯誤があること (2)錯誤が法律行為の要素に関するものであること の2つが要件です。
  3. 特定商取引法による取消
    (1)契約が特定商取引法の対象であること (2)契約締結の勧誘に際し、重要事項についての不実告知があったこと (3)表意者がその内容を事実であると誤認したこと (4)表意者が誤認に基づいて取消の意思表示したこと が必要です。
  4. 消費者契約法による取消
    (1)契約が消費者契約であること (2)契約締結の勧誘に際し、重要事項についての不実告知があったこと (3)表意者がその内容を事実であると誤認したこと (4)表意者が誤認に基づいて取消の意思表示したこと が必要です。

ちなみに特定商取引法における「重要事項」は、商品・役務・権利に関すること、価格、クーリングオフ等の制度に関することのほか、契約の必要性、業者の信用性、契約の動機づけなども含まれます。
これらは消費者契約法の「重要事項」よりも広い概念の扱いになっています。

書式及び参考資料

注意事項

利用者の皆様に提供する回答は、弁護士の法的助言にかえることはできません。あくまで、ご自身の判断の一助にしてください。