労働

年次有給休暇早わかり表

「年次有給休暇」は、労働者の疲労回復、健康の維持・増進、そのほか労働者の福祉向上を図る目的で「労働基準法」に規定された制度です。

勤務の一定条件を満たした雇用労働者に対し、使用者には所定休日以外に年間一定日数以上の「年次有給休暇:年休」を与える義務が発生します。
そして、この年休には一定の賃金を支払うことが義務づけられ、この規定に違反する使用者には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

現実のところ、(中)小・零細企業では、年休の取得に際し、会社から請求用紙に理由を書くことを要求されたり、仕事の状況から許可をしぶったり、また就業規則がすぐに見られない状況だったりと、まずもって年休が取りにくい条件がそろっています。

ですが、年休は労働基準法にもとづき、労働者に与えられる大切な権利ですから、大手を振って取って当り前の社内環境をつくっていかなければなりません。

そのためにも、「年次有給休暇」に対する条件がどのような関係にあるかを早わかりで一覧にしたものが必要で、下表で年休に関する全体の知識を得ていただき、あなたの会社がどのレベルにあるか、すぐに判定が出せることと思います。
そして、一挙に改善するのは無理がありますから、少しずつ行動して勝ち取っていきましょう。

年次有給休暇早わかり表
※年次有給休暇:年休と表現
年休を
判断する条件
法に基づく主要解釈 根拠となる法律
1 法定年休の発生 法定年休は、“入社後6カ月間以上勤務”と“全労働日の8割以上の出勤”の条件で、10日の年休の義務づけ。6年6カ月目で最高20日まで加算します。 労基法第39条第1項
2 法定年休の時効 法定年休は翌年に繰越し、消化できなかった部分は消滅。残った年休の買い上げは、退職時以外は原則禁止。 労基法115条
3 年休不与に罰則 年休を取らせない使用者には、「労働基準法第39条に違反するものは6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」が適用される。 労基法第119条
4 年休の賃金不払 年休に対する賃金の支払を行わない使用者に対しては、労働者の請求に基づき裁判所は付加金の支払を命ずることができます。 労基法第114条
5 年休取得時季 いつでも自由に年休を取ることができる。ただし,「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、時季変更権を行使し,その取得を認めないことができます。 労基法第39条第4項
6 使用者への承認 「年休は労働者の権利」のため、年休の請求に対し使用者側ができるのは、時季の変更のみ。就業規則に年休取得申請に期限付きか確認要。 労基法第39条第1項・第2項
7 年休の請求期限 使用者が時季変更権を行使しることが可能な時間的余裕が必要という点から、多くは前日までとする例が妥当とされています。
8 年休を取る理由 年休を取るのは、労働者の権利かつ安心して休むための法で定めた制度であるため、年休は理由を問わず取得可。理由は「使用」「家事都合」でよい。
9 休日を年休に? 法の労働義務免除の目的に反し、休日を年休扱い(有給)にはできません。
10 休職中の年休 就業規則等に基づく休職期間中(産前・後等)は労働義務が免除され、週休日等と同様扱いでこの期間の年休をとれません。
11 年休の買い上げ 法の労働義務免除の目的に反し、年休の買い上げは不可。なお放棄もできません。 労基法第39条第1項
12 パートの年休 雇用形態にかかわらず、上記1.の“法定上の発生”要件で年休が取得(比例付与)でき、2.〜9.項目が適用されます。 労基法第39条第3項
13 管理監督者年休 法令上で年休について、労働者を管理する「管理監督者」を適用除外していないので、一般労働者同様、年休制度(上記1.)は発生します。
14 年休の算定 <定年退職の再雇用>嘱託等は勤続年数継続となり、年休を算定
<パートの再契約>更新の間が短期間なら、継続勤務扱いで年休を算定
15 退職時の年休 退職時に残る年休を退職予定日を越えての時季変更ができないため、退職時に残る年休の買い上げは認められます。
16 解雇時の年休 解雇時に残る年休を解雇予定日を越えての時季変更ができないため、解雇時に残る年休の買い上げは認められます。
17 年休の事後承認 労基法によれば、事後の年休は認められない。ただし、事後年休を認めることを就業規則に追加できればよい。 労基法第39条第4項
18 休業日と年休 使用者側の都合による休業日に、あらかじめ年休を請求していた場合は、年休が優先して認められます。
19 勤務日数の算定 労働者が業務上の負傷や病気療養のための休業、育児・介護休業、産前産後の休業(労基法第65条)、は出勤日数として取り扱われます。 労基法第39条第7項
20 年休の賃金算定 年金の賃金について、就業規則にあれば準じます。労基法では、平均賃金・通常の賃金・標準報酬日額のいずれかが適用されます。 労基法第39条
21 年休算定日統一 労働者の多い企業では、年休を算定する日を設けることが多く、この場合は全員について統一基準日から向こう1年で計算されます。
22 年休と査定 使用者は労働者が年休を取得したことを理由に皆勤手当や賞与の減額、不利な人事考課などの不利益な取扱いをしないようにしなければなりません。 労基法第136条
23 年休計画的付与 たとえば労使協定により、年休に関する時季協定を行い、年休を計画的に付与することができます。労働者が時季を決められる最低日数を確保します。 労基法第39条第5項
24 半日年休の扱い 労基法には半日年休の規定はなく、これを認めるか否かは会社の判断です。労使協定で決められることもあり、就業規則の確認要。

書式及び参考資料

注意事項

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