相続

相続の放棄等

相続の放棄と限定承認

相続によって受け継ぐ財産の中には、現金・預貯金・土地・有価証券などの積極財産のほかに、借入金や未払金のような消極財産、つまり負債も含まれます。

資産より負債が多い場合や、どちらが多いか判断できないような場合には、相続の開始があったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所で手続きし、相続の放棄や限定承認という制度を活用することができます。

相続の放棄をするには、他の相続人に関係なく自分1人でもすることができます。家庭裁判所では関係者を呼び出し、放棄を確認します。相続の放棄が認められると、その相続人は初めから、相続人でなかったものとみなされますが、相続税の基礎控除や非課税限度額の計算の上では、法定相続人の数に入ります。

限定承認とは、相続財産として資産も負債も引き継ぎますが、借金の支払は相続財産の限度内とするという制度です。この制度は、被相続人にどの程度の借金があるのか不明な場合にはメリットがありますが、相続人の全員が一致して行わなければなりません。また、相続の放棄に比べると手続きが面倒です。

限定承認が行われた場合には、相続財産は、相続税評価額でなく、時価で売却されたものとみなされます。その譲渡による所得税は準確定申告で納めることになりますが、被相続人の債務として、相続財産の限度内で支払えばよいことになります。

相続欠格者

民法(第891条)で定める以下の欠格事項の一つでも該当する場合、その人は相続欠格者として、自動的に相続人の地位を失います。

  1. 故意に被相続人または相続について先順位もしくは同順位にある者を死亡させ、または死亡させようとしたために、刑に処せられた者。
  2. 被相続人が殺害されたことを知って、これを告発せず、または告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、または殺害者が自己の配偶者もしくは直系血族であったときを除きます。
  3. 詐欺または脅迫をして、相続人が遺言をしたり、その取消しや変更しようとするのを妨げた者。
  4. 詐欺または脅迫をして、相続人に遺言させたり、その取消しや変更をさせた者。
  5. 相続に関する被相続人の遺言書を偽造・変造・破棄したり、隠匿したりした者。

つまり、相続争いに絡んで殺人を犯したり、その事実を知りながら告発しなかった場合は相続権を剥奪されます。また詐欺や脅迫も同様です。これらの行為を行なった場合は、遺言書に遺贈の旨が書かれてあっても無効となります。

推定相続人の廃除

被相続人の意志で、推定相続人の廃除ができます。つまり相続させたくない人が相続人にいる場合、その権利を剥奪できる制度です。
被相続人の生前に

  1. 被相続人を虐待した
  2. 重大な侮辱をした
  3. 著しい非行があった

などの事由がある場合、被相続人は家庭裁判所に申し立ててその人の相続権を取り上げることができます。これは遺言書の中に記述していても有効です。

排除の申請を受けた裁判所は内容を吟味し、相続人が申請通り相続するに当たらないと判断した場合は相続権の廃除を認可します。なお、この排除の認可は被相続人が生きている場合は取り消しが可能です。

書式及び参考資料

注意事項

利用者の皆様に提供する回答は、弁護士の法的助言にかえることはできません。あくまで、ご自身の判断の一助にしてください。