遺言

この分野の特徴

「公正証書遺言」作成件数

遺言を作成し、相続に備える方は年々増え、平成7年には年間46,301件だったものが、平成16年には年間66,952件と、約1.4倍にも増加し、平成17年には7万件を突破しています。
これは、公正証書遺言のみの件数ですから、自筆証書遺言などを含めると、実際に遺言を作成している方は、おそらくこの数字の3倍あるいはそれ以上と考えられます。

これだけ一般的になってきた「遺言」ですが、きちんと法律にのっとった形で作成しないと、遺言の役目を果たさないことはいうまでまりません。

自筆証書遺言の失敗例

安全な公正証書遺言に比べ手軽に書ける自筆証書遺言は、数の上では多いのですがどうでしょうか?
他の人に相談もしないで自分で書く「自筆証書遺言」は、自分できちんと法的に不備のない遺言を書かなければなりません。法的に不備のある遺言は、無効となり、希望したとおりに相続が行われなかったり、相続人どうしで争いがおこったりするかもしれません。

実際にどんなことに注意して作成すればよいのか、具体的な失敗事例を揚げてみます。

(1)ワープロで作成したものは無効!

いかに文章の内容が適切であっても、自筆証書遺言は全文を自筆することが前提ですから代筆したものも無効となります。したがって遺言書をワープロで作成したものは無効となり、遺言書としての効力はありません。

(2)印鑑を押し忘れたものも無効!

自筆証書遺言には、本人の印が押されていないと遺言書が無効となってしまいますので、最後にきちんと確認する必要があります。

(3)さらに日付は適切に記入しないとダメ!

自筆証書遺言の日付は、遺言作成日が特定されていなければならないという規則があり、たとえば、「〜吉日」という表現の遺言書は無効となります。

(4)夫婦共同の遺言は禁止!

【共同遺言の禁止】といって、遺言は、二人以上の者が同一の証書でこれをすることができないと定められています。
遺言は共同ですることができません。
自筆証書遺言には、以上のようにしてはならないことの他、保管や管理の問題など注意しなければならないことがたくさんあります。

このように遺言書を書く場合には、不備のない、法的に形式のととのった遺言を残すためにも、弁護士や行政書士などの専門家に相談することが賢い検討となります。
また、遺言については失敗例の多い自筆証書遺言よりも公正証書遺言を検討することも考えてみてはいかがでしょうか。

遺言書がないと大変!

遺言書には、被相続人の意思を相続人や他の遺族に伝達するという目的があって、自分が亡くなった後に自分の望みどおりに相続をすすめてもらうには、自分の意思を明確に遺言書として残しておく必要があります。こうすれば、相続を円滑にすすめることもできます。

もし遺言書がなく、遺産の分割方法を被相続人が指定していないと、相続人どうしの私利私欲がもつれて話し合いがつかず、さまざまなトラブルへと発展する可能性があります。世間でいう“争続”となりかねません。
近年、遺産総額の大部分を不動産が占めるというケースが多くなっており、子供3人で均等に分けようにも分割するわけにもいかず、また売却してお金で分けようとしても売却に時間がかかったり、売却先が見つからなかったりして、けっこううまくいかないケースが多いようです。

このようなトラブルを未然に防ぐためにも、遺言書がないと大変!なのです。遺言書でしっかりと遺産の分割方法を指定しておくことは後に残された者にとっても必要なことなのです。

遺内縁の妻にも受取れるようにしたい

いわゆる「内縁の妻」は、相手の男性の財産を相続できるのでしょうか?
内縁の妻として長年内縁の夫につくしてきたとしても、戸籍上の婚姻関係がなければ、相続する権利はありません。ということは、生前身の回りのお世話をした方とか、介護の世話をした方、それと内縁の妻などをあわせて「特別縁故者」といいますが、これらの方にも通常、相続財産を受取る権利がないのです。

このような場合、内縁の妻などの特別縁故者が相続財産を受取る最もよい方法があります。

これには、被相続人が亡くなる前から、遺言書で財産をゆずることを指定しておいてもらう方法です。
ただし注意が必要なのは、遺留分を侵害しないように、財産の全部をゆずる遺言はしないことです。間違いなく、相続が開始された後にトラブルになってしまいます。

遺留分とは、法定相続人が受取る権利をもつ相続分のことであり、遺留分の割合は、たとえば配偶者と子がいる場合は、それぞれが1/4ずつとなります。配偶者や子などの法定相続人は遺留分減殺請求をすることによって、遺留分を受取ることができます。

したがって、上記の「特別縁故者」へ遺言書で財産をゆずることを指定できる割合は、最大財産の半分(半分は配偶者と子の遺留分となります)となります。

書式及び参考資料

注意事項

利用者の皆様に提供する回答は、弁護士の法的助言にかえることはできません。あくまで、ご自身の判断の一助にしてください。