離婚

離婚・財産分与と税金

離婚による慰謝料や養育費については税金はかかりません。ただし、養育費については、将来の分まで一括して支払われる場合に贈与税の対象となることがありますので注意が必要です。

離婚に伴う財産分与

離婚に伴う財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に築いた共同財産を、その貢献度に応じて公平に分配しあう意味合いを含んでいて、夫婦の協議により合意が得られれば、その分与額が財産分与として受取ることのできる財産となりますので特に分与額に上限はありません。

離婚に伴う財産分与の対象となる財産には、現金・預貯金・不動産(マイホーム・土地)・車・有価証券・ゴルフ会員権はもちろんのこと、既に退職金が支給されている場合には、その退職金も財産分与の対象物として認めた判例もあります。

ただし、離婚に伴う財産分与とは、“婚姻期間中”に夫婦で築き上げた財産が対象となるため、たとえば婚姻前から所有していた財産であったり、あるいは婚姻期間中にあっても、相続などによって取得した財産等は、原則として財産分与の対象にはならないのです。
民法 第762条の規定は、以下のようになっています。

  1. 夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産とする。
  2. 夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。

財産分与の分配

財産分与の分配のしかたに基準はありませんが、夫婦共働きの場合には折半、専業主婦である場合には、3〜4割を財産分与として分配しているのが一般的なようです。
なお、財産分与は、不法行為によって発生する慰謝料とは異なるため、有責配偶者からの財産分与請求も可能です。

夫婦間の話し合いにより財産分与の解決が見られない場合には、家庭裁判所の調停や審判を経ることになります。

財産分与を金銭で行う場合

夫婦が婚姻生活中に協力して築いた財産の清算としての性格を持つ財産分与には、原則として贈与税は発生しませんが、以下のような場合は贈与税がかかりますので注意が必要です。

  1. 分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の価額やその他すべての事情を考慮してもなお多すぎる場合、この場合は多すぎる部分に対し、贈与税がかかることになります。
  2. 短期間で復縁するなど税金の回避行為と思われる場合にも、贈与税がかかることになります。
  3. 離婚が贈与税や相続税を逃れるために行われたと認められた場合には、離婚によってもらった財産すべてに贈与税がかかります。

財産分与を不動産などで行う場合

<分与する側>

離婚による財産分与が土地や建物などの資産(不動産)の場合、分与した側に譲渡所得税がかかります。

例えば3000万円でマンションを買った自宅を譲渡するときの時価が4000万円になっていたといます。この差額1000万円が譲渡所得となり、課税の対象となります。
ただし、自宅として住んでいれば所有期間の長短に関係なく、3000万円の特別控除の特例を受けることができます。ですからこの特例によって、居住用財産を分与する場合、3000万円以上値上がりしていなければ税金はかからないことになります。
しかし、これは「親族以外の者への譲渡」でないといけませんので、離婚成立後に財産分与しなければ、譲渡所得税は取られてしまいます。
この特例を受けるには、確定申告をしなければなりません。

取得時より土地や建物などの資産が分与時に値下がりしていたときは所得は生じないので、税金はかかりません。さらにゴルフ会員権や宝石、株式なども譲渡所得税の対象となります。

<分与される側>

分与を受けた財産が不動産である場合、時価で譲渡したものとみなされます。分与された側は、財産分与請求権という権利をもとに取得していますので、分与を受けた日の時価で買ったことになり、贈与にはあたりません。

不動産の分与を受けた側には、所有権移転登記の際に登録免許税がかかります。登録免許税の税率は不動産価格の1000分の20となっています。また、その後の固定資産税は分与された側で払わなければならないのは当然のことでしょう。

書式及び参考資料

注意事項

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