家族

「親権」とカバーする法律

親権とは、成年に達しない子を監護、教育し、その財産を管理するため、その父母に与えられた身分上及び財産上の権利義務の総称で、未成年の子に対し親権を行う者を“親権者”といいます。
また、親権を『監護権』(子供と一緒に暮らし生活全般の面倒をみる権利)と法定代理人たる地位にあって財産管理や法律行為などを行う権利として『親権』とにわけて呼ぶ場合も多いようです。

親権は、権利であると同時に義務でもあることから、義務に関係する法律と親権の法律を合わせて一覧としたものが下表です。

法  律 親権とカバーする法律条項
民法上 <親権の効力>
  1. 監護・教育の権利及び義務(820条)
    子を健全に養育する義務の実現
  2. 子の住居を指定する権利(821条):子は、親権者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。※「出ていけ」と命ずる権利はない。
  3. 懲戒する権利(822条):親権者は、必要な範囲で自ら子を懲戒できる
  4. 子の職業を許可する権利(823条):職業選択の自由を制限するものではなく、子の同意なく働かせることもできない。
  5. 子の財産管理の権利及び義務(824〜832条)
  6. 子の親権の代行(833条)
・親権の喪失
親権者が親権を濫用し、又は著しく不行跡であるときは、家庭裁判所は、子の親族又は検察官の請求によって、その親権の喪失を宣告することができる(834条)。
ほか835〜837条。

<親権者に関連する法律>
  1. 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある等(877条)
  2. 責任無能力者の監督義務者等の責任(714条)
責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。

<不法行為責任>
親権者が子の監督を怠った結果、子が他人に損害を加えたときは、親権者自身に不法行為責任が生じ得る(709条)
児童虐待の防止等に関する法律
  1. 親権者は、親権の適切な行使に配慮しなければならない(14条1項)
  2. 親権者が子の監護を怠ることは、児童虐待にあたり得る(2条3号)
刑法上 保護責任者遺棄罪・不保護罪(218条)
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する
児童福祉法(子供の保護義務を規定した法律) 国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う(第2条)
児童の保護者はこの法律で、「保護者とは、親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護する者をいう」(第6条)とされており、通常は親権者になります。

親権者の決定

子どもが未成年者の場合は、婚姻中は両親が共同親権者ですが、離婚の際にはどちらか一方を親権者と定める必要があります。父母の双方が親権者を争った場合には、離婚訴訟において、裁判所の調査官が子どもの生活状況などを調査し、子どもの最善の利益、幸せの観点から決められます。

親権のうち身分上の養育保護、すなわち子の心身の成長のための教育及び養育を中心とする権利義務を監護権といって、監護権のみを親権から切り離して、親権者と監護権者を別々に定めることもできます。

親権者は、子どもが成人するまでの法定代理人ですから、成人すれば親権者ではなくなります。

書式及び参考資料

注意事項

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