交通事故

損害賠償額の算出

2006年9月の千葉地裁佐倉支部における判決では、飲酒運転事故で遷延性意識障害等の後遺障害(1級3号)の被害者に、総額3億円の高額賠償金の支払いが命じられました。

このように交通事故の被害者は、加害者に対して被った被害に対する損害賠償を請求することができます。事故による損害としては、ケガの場合は、治療費や治療に関する雑費などの積極損害、破損した車の修理代などの物損、逸失利益や休業補償などの消極損害、精神的損害などがあります。

たとえば、ケガを治療するために通院や入院が必要だった場合は、診察費、検査費、治療費、手術費、入院費、リハビリ治療費、マッサージ費、鍼灸費などにくわえて、治療に関する雑費として、病院への交通費、入院中の食費、日用品、通信費などが損害賠償の対象となります。こうした治療費は、医師が必要と認定したもの、あるいは社会的に見て治療のために妥当と考えられる範囲で認められ、場合によってはリハビリのための温泉治療費なども含むことができます。

また、事故による後遺症に関しては、損害保険料率算出機構という機関の調査事務所が、保険会社を通じて認定を行います。後遺症に対する損害賠償は、傷害そのものに対する賠償にくわえて、後遺症への慰謝料プラス逸失利益で算定します。

一方、精神的損害に対する慰謝料は、弁護士会の定める民事交通訴訟の損害額算定基準などを基に算出。信号無視など、被害者にも過失があった場合は、過失相殺で算定額が減額されます。

また、不幸にも被害者が死亡してしまった場合は、親や子供などの遺族が被害者に代わって加害者に損害賠償を請求します。この場合、遺族は、葬儀代などの被害者死亡にともなう諸経費にくわえて、被害者の逸失利益、死亡した被害者に対する慰謝料に自らの精神的苦痛による慰謝料を加えた慰謝料などを請求することができます。

このうち逸失利益は、被害者が生きていれば生み出したであろう財産上の損害です。逸失利益の算定は、被害者の事故当時の年収を基に、就労可能期間である満67歳までの収入を計算(被害者が年少で就業していなかった場合は、満18歳を就労開始年齢とし、満67歳までの収入を算出)。得られた被害者の生涯収入から、被害者が将来費やしたであろう生活費や利息を控除し、最終的な逸失利益を算出します。

また、被害者死亡にともなう諸経費としては、葬儀費用が代表的なものです。葬儀費用としては、火葬料、埋葬料、花代、葬儀社料、僧侶の読経料、法名料、お布施、お供物料などにくわえ、遺族の交通費、通信費、弔問客への接待費などが挙げられます。具体的算定には、財団法人日弁連交通事故相談センターの「交通事故損害額算定基準」などを参考に、死者の年齢や社会的地位等を考慮して社会的に妥当な金額の範囲で認められます。

ちなみに、墓石については、代々の墓がないなど、社会的に妥当な範囲であれば認められる可能性があり、法要に関しては四九日までの法要費が認められています。

(注)損害保険料率算出機構
前身である損害保険料率算定会と自動車保険料率算定会が統合し、平成14年7月1日、新たに業務を開始した料率算出団体。参考純率と基準料率の算出・提供および自賠責保険の損害調査を主な業務とする。

書式及び参考資料

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