交通事故

自動車保険の最新動向

交通事故で忘れてはならないものに自動車保険があります。

交通事故に関わる自動車保険には自動車賠償責任保険(自賠責保険)と任意自動車保険(任意保険)の2つがあり、このうち自賠責保険は、交通事故の被害者に対する最低限の補償のために、自動車損害賠償保障法(自賠法)によって加入が義務付けられた保険です。

自賠責保険の保険金限度額は,死亡の場合は3,000万円,介護を要する重度後遺障害者について,常時介護を要する者は4,000万円,随時介護を要する者は3,000万円。2001年度から2005年度における自賠責保険の支払件数は0.5%増加し,一方支払額は3.8%の減少を見せています。自賠責保険は近年の財政事情から徐々に値上げが繰り返され、平成19年度の契約者負担額は30、830円となっています。

一方、任意保険は賠償額が、自賠責保険の支払い限度額を超えてしまった場合に、その差額を補うことを目的とした保険で、加入は自由意志によりますが、加入率約85%とほとんどのドライバーが加入しています。任意保険の金額的としては、2005年度に契約された対人賠償保険のうち,契約金額別構成比が2,000万円以下のものは0.2%,2,000万円〜5,000万円は0.4%,5,000万円〜1億円は1.0%,1億円以上は98.4%となっており,契約金額の高額化が目立っています。また、2005年度に任意自動車保険の保険金が支払われた死亡事故の賠償額は,平均3,675万円となっています。

任意保険の選択に関しては、1998年に保険料率が自由化された後,さまざまな保険商品の開発・導入が進んでおり、現在では契約者が自らのニーズに最適な補償内容や保険金額の商品を選択することが可能となっています。

任意保険の商品としては、人的損害の補償額が自賠責の限度額を超えた場合の不足を補償する対人賠償保険、相手に対する物的損害を補償する対物賠償保険、自損事故の場合に自らや同乗者の人的損害を補償する自損事故保険、運転手や同乗者のけがを補償する搭乗者傷害保険、加害者に賠償金支払能力がない場合に賠償金を補償する無保険車傷害保険、自分の車の修理代を補償する車両保険などがあり、このうち複数の商品を組み合わせて契約する自家用自動車総合保険(SAP)や、示談交渉サービスをプラスした自家用自動車保険(PAP)なども人気です。

また、最近では、事故の際の補償対象を限定することによって保険料を下げるリスク細分型と呼ばれるタイプが主流となっています。

また、保険金の支払いでは、賠償金額の高額化が目だっており、裁判においても高額賠償判決の事例が増加しています。このため、自動車保険の契約に際して相手方への対人、対物の補償額を無制限にするのが最近の傾向となっています。

ちなみに、2005年2月の金融庁の検査で発見された自動車保険の特約における不適切な不払いを発端とした保険金の不当不払い問題では、「予測義務・安全確認義務違反」を理由に不当に保険金の支払い額を少なくしたり、支払いを拒んだりするケースが目立ちました。こうしたケースでは、被保険者が予測義務や安全確認義務違反を犯した明確な証拠もないまま、保険金の支払いを行わないケースが報告されています。

また、加害者からの保険金だけでなく、被害者の契約保険からも保険金が出る「他社またぎ」と呼ばれるケースでの保険金の不払いも目立ち、日本損害保険協会は、保険会社が被害者の同意を得たうえで加害者が加入している任意保険の会社から損害賠償額の明細を取り寄せる、データがとれない場合は加害者が加入している自賠責保険の会社から診断書などを取り寄せる、必要な書類のやりとりは営業拠点ではなく損保各社の本社に一本化するなど、自動車保険の保険金不払い調査のルールを決めることを発表しました。

(注)自家用自動車総合保険(SAP)
対人賠償保険、無保険車傷害保険、自損事故保険、搭乗者傷害保険、対物賠償保険、車両保険の六つの保険にプラス対人・対物示談交渉サービスをセットした保険。
(注) 自家用自動車保険(PAP)
車両保険を除いた上記の5つの保険に対人示談交渉サービスをセットした保険

書式及び参考資料

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