交通事故

自動車保険トラブル

最近の自動車保険は、自由化によって各社がさまざまな特約やサービスなどを提供して競いあっており、保険の種類、内容が多くなりすぎて、どの保険を選んだらよいのか、本当に迷うところです。

また、保険の契約書は細かい規約が小さな文字でつづられているため、ついつい内容を理解しないまま加入してしまいがちです。しかし、万一事故になった時に、意に反して十分な保険金が支払われないということにならないためにも、これから加入しようとする保険がどのような補償内容を持っているかをきちんと把握しておく必要があります。

自動車保険選びでもっとも大切なのは、その補償内容です。おもな補償内容としては、被害者への補償、運転手や同乗者に対する補償、車に対する補償などがありますが、多くの保険会社が補償内容に独自の名称を使っているため、内容が解りにくくなっています。とくにインターネットなどを使った申し込みでは、補償内容を自分で選ばなければならないため、サービスセンターなどに問い合わせるか、面倒でも担当者に会って保障内容についての説明を聞いて、内容を理解してから契約する必要があるでしょう。

しかし、宣伝やパンフレットでは素晴らしい補償内容をうたっている保険ですが、実際の支払いに際して、トラブルとなったケースも後を絶ちません。

最近問題になった自動車保険の特約における不適切な不払いを発端とした保険金の不当不払い問題では、「予測義務・安全確認義務違反」を理由に不当に保険金の支払い額を少なくしたり、支払いを拒んだりするケースが目立ちました。こうしたケースでは、被保険者が予測義務や安全確認義務違反を犯した明確な証拠もないまま、保険金の支払いを行わないケースが報告されています。

さらに、加害者からの保険金だけでなく、被害者の契約保険からも保険金が出る「他社またぎ」と呼ばれるケースでの保険金の不払いも目立っています。

また、保険会社との補償金額をめぐる交渉では、保険会社は相手の抵抗を予想して、交渉の最初から社内基準通りの金額より低目の金額を提示してこないため、保険会社の当初の提示額、あるいはわずか一回の交渉で少しばかり上積みしてもらった金額で示談してしまい、不服に感ずる被害者も多くあります。

どのくらいの金額で妥協すればよいのか分からないときには、日弁連交通事故相談センターの弁護士が無料で相談に乗ってくれるので、専門家の意見を聞いてから示談に応じても遅くはありません。

また、自賠責保険の保障金額の算定は、各保険会社による運用の違いを避けるため、自賠責保険調査事務所という損害保険料率算出機構の下部組織が一貫して行っています。もし算定された金額に不満があるときは、被害者は自賠責保険調査事務所に損害査定に対する異議申立てをすることができ、それでも納得できない場合には、裁判に訴えることができます。

一方、任意保険の保険金は自賠責保険と合わせた一括払い請求となります。この場合は、保険会社が自賠責保険に一括請求を行い、自賠責保険側はそれに対する事前認定を行うだけで、被害者への算定結果通知は行いません。

また、後遺障害の等級認定結果に不満がある被害者は、自賠責保険や任意保険の保険会社に異議申し立てを行うことができます。さらに、自動車保険にはさまざまな免責条項が付いており、運転者が違法な運転をした、無免許運転や、酒酔い運転、薬物の影響下での運転などをして事故を起こしたなどの場合は、一部の搭乗者傷害保険等の保険金は支払われません。また、地震などの天災や戦争などが原因となって起こった事故に対しても、ほとんどの保険が保険金を支払わないということを知っておく必要があるでしょう。

さて、こうした保険をめぐるさまざまなトラブルから被害者を保護しようと、平成14年に自動車損害賠償保障法に基づく裁判外紛争解決機関として設立されたのが、財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構です。同機構は自賠責保険や共済から支払われる保険金や共済金等に関して発生した紛争を適確に解決するため、公正・中立な判断を行う第三者機関として、自動車損害賠償責任保険および自動車損害賠償責任共済からの支払いに係る紛争の公正かつ適確な解決による被害者の保護を図るための事業を行っています。

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