交通事故

交通事故裁判

2004年の民事交通事故訴訟新受件数は、2003年の1394件から1329件へと微減しましたが、2005年には再び増加の気配を見せています。一方、訴訟における解決方法は、2000年から2004年までの5年間の平均で、判決が20%、和解が71%、取下、却下、移送等が9%となっています。

交通事故がこのような裁判に発展してしまうのはいったいどのようなケースなのでしょうか?

交通事故にあった場合、まずは当事者同士で話し合って被害者が被った損害に対する賠償を決定する「示談」を行います。示談は民事上の紛争を当事者双方が話し合いで解決するもので、うまくいけば、加害者と被害者が円満に矛を収めることができる、解決までに時間がかからない、早期解決で費用がかからない、などの利点があります。

示談にかんしては、交通事故紛争処理センター、日弁連交通事故相談センターなどでも斡旋業務を行っていますから、気軽に相談することができます。また、加害者が自家用自動車総合保険(SAP)や自動車総合保険(PAP)に加入していれば、保険会社が加害者に代わって示談代行サービスを行ってくれます。

示談の手順としては、話し合いで双方が損害賠償額、支払いの方法や時期などの条件面で合意すれば、示談書を取り交わし、決定された金額や支払い手順に従って賠償金を支払います。基本的に一度示談が成立すると、示談書に書かれた内容は覆すことができません。

損害賠償金額の算定については、保険会社などが間に入っている場合は保険会社に任せ、自ら行う場合は、日弁連交通事故相談センターの「交通事故損害額算定基準」や東京三弁護士会交通事故処理委員会編「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」などを参考にして賠償額の算定を行います。

しかし、加害者が、できれば被害者と会うのを避けたい、事態をうやむやにしたい、自分には責任がないなどの気持ちから、被害者が話し合いを求めても誠実に対応しようとしない場合も多くあります。こうした場合、被害者がいつか連絡があるだろうと待っていても、いつまで経っても誠実に対応しようとしない可能性が高いようです。交通事故の賠償請求の時効はわずか3年。ゆっくり構えていると、あっという間に時効が成立して、賠償請求権が消滅してしまう恐れがあります。

こうした場合、被害者はまずは後日の証拠とするため、内容証明郵便を使って加害者に賠償金の支払いを催告しましょう。また、加害者が会社の業務上で車を運転していて事故を起こし、会社側に加害者の車使用に関するコントロールのあった場合には、会社にも使用者責任や運転供用者責任があり、賠償を請求することができます。

そして、これらの方策を施した後にも、加害者側から誠意ある対応がなかった場合は、被害者は次のステップを取る必要があります。

示談の次のステップとしては、中立の仲裁機関などの和解、斡旋や、簡易裁判所などによる調停があり、これらの一連の方策を行った後でも妥協点が見いだせない場合は、裁判で決着をつけるほかはありません。

被害者が裁判に訴える場合、基本的には弁護士に依頼する必要があります。とくに死亡事故などの重大事故で、賠償額が巨額になりかねないような場合には、示談にせよ裁判にせよ、最初から弁護士に依頼した方がよいでしょう。

弁護士に依頼する手順としては、まずは法律相談。そして委任契約を交わした後に、事件に着手してもらうことになります。弁護士費用としては、事件を弁護士に依頼するときに支払う着手金、事件が終了したときに成功の度合いに応じて支払う報酬金、弁護士の出張費、交通費、弁護士の活動にともなう実費などが主なものです。

また、加害者が自家用自動車総合保険(SAP)や自動車総合保険(PAP)に加入していた場合は、保険会社が加害者の弁護士費用を負担してくれます。一方、被害者の弁護士費用については、一部を加害者が負担することになっています。

(注)『交通事故損害額算定基準』 俗に言う「青本」 日弁連交通事故相談センター編・刊
(注)「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準」(東京三弁護士会交通事故処理委員会・(財)日弁連交通事故相談センター東京支部共編、いわゆる赤本)
(注)利息の計算には、ライプニッツ式とホフマン式があり、一般的にはライプニッツ式(年5%)が採用されている。

書式及び参考資料

注意事項

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