取引・その他

旅行の法律

旅行会社の補償

約款特別補償規程

海外パッケージツアーであれば主催会社の責任の有無を問わず、主催会社は約款特別補償規程により、海外ツアーに旅行者が参加中に偶然かつ急激な外来の事故により、生命・身体・手荷物に損害が生じた場合、次の損害補償金が支払われます。置き引きにあったというようなケースでも支払われるもので、決して大きな金額ではありません。

  1. 傷害死亡補償金(2,500万円)
  2. 後遺障害補償金(2,500万円を上限)
  3. 入院見舞金(4万円〜40万円)及び通院見舞金(2万円〜10万円)
  4. 手荷物損害補償金(手荷物1個又は1対あたり10万円を上限、旅行参加者1名あたり15万円を上限)

ただし、上記のように入院や通院に対しては見舞金として支払われ、治療費や入院費用などの実費は旅行者自身の負担になります。
また、入院等で日程表通りの旅行ができなくなった場合、未宿泊のホテルからかかってくるキャンセル料や追加で必要になる一切の費用も旅行者負担になります。
詳細は、「旅行条件書」に明記されています。出発前に熟読しておきましょう。
なお、海外ツアーの行程において故意、酒酔い、疾病などの損害については補償されません。肝に銘じておきましょう。個人旅行ではこの補償はありません。

なお、現地到着後一旦解散し何日間か後に再集合とするようなツアーがありますが、解散から再集合までの期間については旅行会社がホテルも交通機関も一切手配しないという「中抜きツアー」の場合は、その中抜き期間中の事故については特別補償の対象外になりますので注意が必要です。

未提供のサービスに関する扱い

上記のような事故で入院し旅行日程どおり行動できなくなった場合の取扱いは旅行業約款に規定されていて、このような場合は、旅行者が旅行の継続に耐えられないという理由で旅行契約が解除されたことになります。
この契約解除が旅行会社の責に帰すべき事由の場合は、旅行代金のうち旅行サービスを受けられなくなった部分に係る金額が旅行者に払い戻されます。逆に、旅行会社の責に帰すべき事由によらない場合においては、旅行代金から、この旅行サービスに対して取消料、違約料その他の既に支払い、又はこれから支払わなければならない費用に係る金額を差し引いたものが旅行者に払い戻されます。つまり、各種旅行サービス提供機関との契約条件で返金できるものだけ返金するということです。例えば、当日や翌日宿泊予定のホテル代や特別に予約していた高級レストランの食事代等は旅行者の負担になり戻ってこないのが一般的です。更に、帰りの航空運賃などはパッケージ用の特別運賃を適用しているため片道だけの払い戻しがないのも普通です。

海外旅行保険について

海外旅行中に事故等があった場合、旅行地によっては必ずしも原因者から十分な補償が得られるとは限りませんので、外務省では安全対策として任意の海外旅行保険に加入することを勧めています。
もちろん日本の健康保険が使える訳ではありませんので治療費だけでも非常に高額ですし、入院が長引いたり帰国のための介助が必要だったり、さらに日本から親族が駆けつける場合の費用は大変です。
海外旅行保険で傷害治療・救援者費用等の特約に入っていれば、本人の宿泊費や帰りの航空券代等も含めて補償されますので安心です。
当然のことですが、加入する保険によって補償内容が変わりますので注意が必要です。

海外旅行総合保険の一般的な契約の補償範囲は、

  1. 交通事故・スポーツ中の事故等によりケガをした時や、風邪・盲腸等病気に見舞われたときの死亡・傷害・治療・救援費用
  2. 法律上の賠償責任を負った時
  3. テロ等により帰国が遅れ、宿泊代等を負担した時、事故や病気により長期入院し、家族が現地に赴いた時
  4. 航空会社に寄託した手荷物の到着が遅れ、身の回り品を購入した時
  5. 航空機が遅れ、宿泊代・食事等を負担した時

などです。

また、オプションでは、

  1. 旅行中の被害事故により弁護士費用を負担した時
  2. 所定のレンタカーを運転し、法律上の賠償責任を負った時
  3. 予定通り帰国できず、ペットの預け入れ期間が延びてしまった時
  4. 旅行をキャンセルしたり中途で帰国した時

などがあります。

いずれにしても、自分の旅行プランにあったオプションを選ぶことができますので、加入した保険はきちんと把握しておきましょう。

旅行会社・旅行者の責任

海外パッケージツアーに参加するということは、旅行業約款及びそのパッケージツアーの条件書に基づき、旅行者が旅行会社と“旅行契約”を締結することになり、契約上、双方が守らなければならない決まりがあります。

旅行会社の責任

旅行会社は、パンフレットで約束した内容を旅行者に提供できるように“手配”し、航空機の欠航などの不可抗力によって旅行日程を変更しなければならないときでも、その変更内容を最小限にとどめるよう努力する“旅程管理義務”を負っています。さらに、航空機やホテルのオーバーブッキングで利用航空会社やホテル名が変わった場合に変更補償金を支払う“旅程保証責任”や、旅行中に事故に遭い入院した等の場合にお見舞金を支払う“特別補償責任”もあります。

海外旅行ツアーの場合、旅行会社や旅行会社が手配した会社が故意、過失によって生じた損害で旅行会社に責任がある場合は、参加者に損害賠償を負うことが規定されています。

しかし次のような場合は旅行会社の責任にはなりません。

  1. 天災地変、戦乱、暴動、これらによる日程の変更または中止
  2. 運送・宿泊期間の事故・火災による変更・中止
  3. 日本または外国の官公署の命令、外国の出入国規制、伝染病による隔離
  4. 自由行動中の事故
  5. 食中毒
  6. 盗難
  7. 運送期間の遅延、不通によって生じる変更または目的地の滞在時間の短縮
旅行者の責任

他方、旅行者にもキャンセルの場合の取消料支払いや、不可抗力による日程変更で追加費用がかかる場合の費用負担など、さまざまな義務や責任があります。
さらに2005年の標準旅行業約款改正で、次の2項目が新たに定められました。
一つは、パンフレットに記載している内容(特に旅行者の権利や義務等に関する旅行会社から提供された諸情報)を十分に理解しなければならないこと。
もう一つは、旅行出発後、実際に提供された旅行サービスがパンフレットや最終日程表と異なる内容だった場合、旅行目的地すなわちその場で申し出なければならないことです。

書式及び参考資料

注意事項

利用者の皆様に提供する回答は、弁護士の法的助言にかえることはできません。あくまで、ご自身の判断の一助にしてください。