セクハラ

セクハラ禁止行為集

カラオケでのデュエット強要もセクハラに

オフィスやその延長である宴席などでは、女性に不快感を与えるセクハラ行為として許されない行為がいくつか存在しています。酔いに任せて取り返しのつかない行為に及ばぬよう、以下にセクハラ行為として注意しなければならない代表的な行為を挙げてみましょう。

セクハラ行為の第一は、女性に対する性的な行為です。これは伝統的なセクハラ行為である、身体への接触などの行為によって女性に不愉快な思いを与える行為です。こうした行為の代表的な例としては、女性の胸や尻などの身体への接触、マッサージの強要、さらには強制わいせつや強姦などがあり、加害者は厳しい法的責任を問われます。
たとえば、平成13年6月の久留米駐車場管理会社事件に対する福岡地裁の判決では、女性従業員に抱きつくなどした管理会社の社長と会社に220万円の支払いが命じられました。

セクハラに関しては、とくに気の緩みやすいお酒の席が要注意です。宴席や社員旅行や出張先で、酔いに任せて女性の腰に手を回したり、手を握ったり、体にさわったり、抱きついたり、キスをしたり、スカートの中に手を入れたり、性的関係を求めるなどの行為はもちろん、カラオケでのデュエット、お酌、チークダンスなどの強要、女性への浴衣着用や男部屋への宿泊などを強いることもセクハラ行為とされます。

平成10年12月の大阪佐川急便事件に対する大阪地裁の判決では、職場の歓迎会後のカラオケボックスで、女性新入社員の手や額にキスする等のわいせつ行為を行った上司と会社に対し110万円の支払いが命じられました。また、平成13年11月の日本大学事件に対する東京地裁の判決では、合宿先の旅館で女子大生の胸を触るなどした教授と大学に180万円の支払いが命じられました。

また、女性の体を下から上までなめるようにじろじろと眺め回したりするだけでもセクハラとされることがあるので、注意が必要です。デスクの下からスカートの中を隠し撮りする行為はセクハラだけでなく、都道府県の迷惑防止条例違反として罰せられます。

女性の体に触れなくても、上司や同僚が執拗に交際を求めたり、性的関係を強要することも、セクハラ行為の一種とされます。嫌がる女性をしつこくデートや食事、ドライブなどに誘ったり、深夜や休日に自宅に電話して交際を迫るのもセクハラ行為にあたります。こうしたケースでは、仕事上の優位性を武器に、上司が部下の女性に性的関係を迫ったり、商談の際に取引を条件に他社の女性に性的関係を迫るなどの悪質なセクハラも目立ちます。

平成13年2月の新潟県職員事件に対する新潟地裁の判決では、仕事を紹介するとして女性職員に性的関係を強要した上司の県職員に対し、450万円の支払いが命じられました。また、平成10年9月の鳴門教育大学事件に対する徳島地裁の判決では、女子大学院生に執拗に手紙を送りつける等した教授に対して、220万円の支払いが命じられました。

被害者女性の解雇は違法行為

また、性的関係を拒否した女性に対して、職場で無視する、退職を強いる、解雇する、中傷メールを送るなどの嫌がらせも禁じられています。平成13年11月の福岡携帯電話販売会社事件に対する福岡地裁の判決では、セクシュアル・ハラスメント行為に謝罪を求めた女性社員を懲戒解雇した携帯電話販売会社に対して143万円の支払いが命じられました。また、平成13年9月の大牟田清掃会社事件に対する同地裁の判決でも、上司との性的関係を拒否した女性従業員を懲戒解雇した清掃会社に対し、300万円の支払いが命じられました。

また、なかにはセクハラがエスカレートして、待ち伏せ、尾行、つきまとい、押し掛け、のぞき、盗聴などのストーカー行為にエスカレートするケースや、強制わいせつ行為やレイプなどの事件に発展するケースもあります。平成10年3月の琉球大学大学院事件に対する那覇地裁の判決では、女子留学生への強姦未遂をした助教授に対して175万円の支払いが命じられました。

また、職場や酒席などで女性にひわいな写真や文章を見せつけたり、ワイ談を聞かせたりすることもセクハラ行為の一種です。たとえば、ワイ談や下ネタを言う、ヌードカレンダー、ポルノ写真、わいせつグッズ、雑誌などをオフィスに置いておく、女性の個人的な性生活を聞く、などはセクハラ行為にあたります。また、男性が目の前で着替えたり、宴席で女性社員に裸踊りを見せつけたりするのもセクハラ行為の一種です。

平成12年1月の三重大学事件に対する名古屋高裁の判決では、カラオケで歌いながら服を脱いでしりを見せ、女子大生に馬乗りになった助教授に対して、90万円の支払いが命じられました。

さらに女性の容姿や言動に対する嫌がらせもセクハラ行為とされてしまいます。たとえば、顔、胸、脚、髪等の女性の身体的特徴や容姿を話題にしたり、未婚・結婚・離婚・妊娠・出産などに関する嫌がらせをすることなどにくわえ、夫や恋人との性生活や処女かどうかなどの女性の性生活について聞いたり、特定女性と社内や取引先の社員との性的な噂を流すのもセクハラの一種です。

平成11年2月の沼津F鉄道工業事件に対する静岡地裁の判決では、女性従業員に対して、わいせつ行為を行い、侮辱的な発言をし、性的に中傷する噂を流すなどした上司二人に対して各80万円、会社には200万円の支払いが命じられました。

このようにオフィスや宴席などでは、女性に不快感を与えるセクハラ行為を断じて犯さぬよう、上司や男性社員にはくれぐれも注意が必要とされるのです。

書式及び参考資料

注意事項

利用者の皆様に提供する回答は、弁護士の法的助言にかえることはできません。あくまで、ご自身の判断の一助にしてください。