貸金

貸金返還請求手続

知人にお金を貸したが返してくれない、よくあるケースです。そんなときには何度か口頭で督促をしますが、なかなか返してくれないということも多いものです。
借りているのがわかっていても故意に逃げている場合もあり、こちらが発行した領収書等の証拠書類を提示しても責任ある態度もない、このままでは何らの解決も見ず、ただやたらに時間が経過していくだけです。このような人の場合、このままでは知人の体質も変わらないので思い切って裁判に訴えて返還請求をするべきかもしれません。

返還請求にあたり、裁判や裁判外で解決する方法として、以下のような方法がありますが、どの方法で解決していくかは、相手方の態度や請求手続の特徴等から判断していかなければなりません。
訴訟による勝訴判決が出ても、また調停が成立しても、相手方の支払いがない場合には、相手方の資産を判決等に基づき強制執行し、その対価より弁済を受けなければならない面倒なことにもなります。そんなことから、親しき仲の貸金は慎むべきが基本です。

一般的な請求手続きの流れとして、

督促・訴訟の前に考える「民事調停」

法律に従いいずれが正しいかを判断して公権的な解決を図る方法として上記の訴訟制度があり、いっぽう正義と公平の観点から、当事者の自主的解決を援助して円満な解決を図る方法としての調停制度がります。どちらも公正な紛争解決を使命とする簡易裁判所で行いますが、調停では、裁判官のほか調停委員と呼ばれる民間の見識者が加り、当事者との話合いのもとに必ずしも法律に拘束されずに、当事者の合意に基づく実情にあった解決をしようとする制度です。

当事者同士の話合いで解決できないからといって、すぐに訴訟を起こすのではなく、民事調停のように様々な分野の見識者が間に入り、話合いで解決することも大切で、実際にこのような場合も多くあるはずです。
民事調停は紛争解決のひとつの大事な選択肢には変わりありませんので検討できるとよいと考えられます。

手続方法は裁判所に調停の申立てをすることによる行います。

また最近では、この話合いで解決する方法として裁判によらず、当事者以外の第三者である民間機関の介入による裁判外紛争解決(ADR)の仕方がスタートしています。この方法では簡単な申立て手続、当事者の意向にそった柔軟性と迅速性、第三者の専門性と非公開性を厳守して解決が図られますから、調停の一方法としてその重要性が増していくものと予想されます。

最初にとるべき請求手続き「支払督促」

内容証明郵便で支払を請求しても相手が応じない、反応がない場合などに、簡易裁判所から相手に「支払督促状」を送ってもらう方法です。
正式な裁判手続をしなくても、判決などと同じような効果が発生し、手続も、支払督促申立書を裁判所へ申請し、簡単な審査を受けるだけで済みます。このように、支払督促は、通常の裁判の半額以下の費用で小口のお金を回収する(請求金額に制限はない)場合に、最初に考えるべき法的手段であるといわれています。
この督促状を放置して2週間が経過すれば、債権者は債務者の財産に強制執行することも可能になります。
申立ては相手方の住所を管轄する簡易裁判所にする必要があり、もし相手が異議を申立てた場合には通常訴訟(裁判)へ移行してしまいます。
「支払督促」をする目安として、離婚の慰謝料請求、養育費請求、敷金返還請求など、こちらに明確な証拠があり勝算もあると判断され、相手が裁判まで考えていないような場合に適します。
しかし、相手が異議を申立てをしそうな場合には通常訴訟へ移行してしまいますから、最初から訴訟をした方がよい場合もあります。
さらに、60万円以下の金銭支払を求める場合には、1回の期日で審理を終え判決が言い渡される「少額訴訟」という簡便な手続を検討する価値があります。

1回の裁判で判決「少額訴訟」

簡易裁判所において1回の審理で双方の口頭弁論を行い、その日のうちに判決が下される制度ですから、簡便で非常に迅速です。ですから、弁護士や司法書士に頼まずに自分でも十分にできます。ただし、証拠複雑だったり、証人が多数いるような場合で1回の審理では無理があるようなときには、通常訴訟へ移行となることもあります。また、相手から異議を申立てられた場合にも通常訴訟へ移行となります。
少額訴訟は請求しようとする金額が60万円以下の場合に限られますが、60万円以上であっても金額を分けて複数回の少額訴訟を起こすことも可能です。

少額訴訟の判決で勝訴すれば、相手には仮執行宣言による支払義務が正式に発生しますので、もし従わない場合には判決内容の強制執行が可能となるのです。
統計データで見る限り、裁判所から訴状が届いただけでも、相手はかなり動揺し、裁判所での審理日を前に「和解」という形で金銭トラブルが解決するケースがほとんどといってよいでしょう。「60万円以下の金額でまず裁判沙汰はないだろう」と甘く見ている相手方に対して少額訴訟は非常に効果的なのです。もし、相手が正当な理由なく審理を欠席したら原告の不戦勝訴になります。

通常訴訟

一般的に行われている通常の裁判での訴訟手続になります。この場合の裁判では、訴訟費用が高かったり、弁護士にお願いしたり、何度も裁判所へ足を運ばなければならず、たとえ勝訴しても労力・コスト・精神的負担などを考えると大変なものがあります。このような事情で、新しい制度として「少額訴訟」がスタートしています。
上記の「支払督促」も「少額訴訟」も、相手方から異議の申立てがあると、この通常訴訟に移行してしまいます。

書式及び参考資料

注意事項

利用者の皆様に提供する回答は、弁護士の法的助言にかえることはできません。あくまで、ご自身の判断の一助にしてください。