医療

いざというときの証拠集め

年間1000件以上にも及ぶ医療過誤事件・・・。もし不幸にもそんな医療過誤に会ってしまった場合、患者あるいはその家族はどうすればよいのでしょうか。

医療過誤に会ってしまったときに、患者側がまずやらなければならないのは、万一病院側が医療過誤を認めず、医療訴訟になってしまった場合に対する備えです。

医療訴訟で原告側にとって重要なのは、裁判での証拠となる資料の保全です。これらの証拠資料としては、カルテ(診療録)を始め、看護記録、血液検査などの各種検査記録、薬剤処方箋、心電図やレントゲン、手術室の管理記録、手術記録などが、裁判での重要な証拠となります。

なかでも重要なのがカルテです。カルテは医師法によって、診療を受けた者の氏名年齢を始め、病名や主要症状、治療方法、診療年月日などを記すように義務付けられ、医療過誤の原因となった診療経過を特定する検査や診察の結果、診断や治療の内容などが記載されています。医師法では、カルテは5年間、レントゲンは3年間の保存義務が定められており、さらに各病院は独自の規則でさらなる期間の保存を定めています。

こうしたカルテの開示を、患者側は、証拠保全手続き、カルテ開示手続き、個人情報保護法に基づく開示手続きなどの所定の手続きを踏むことで、病院側に要求することができます。ただしこれらの手続きの多くは弁護士の手を煩わせる必要がありますが、これら以外にも素人にも入手可能ないくつかの資料があるので、確保していただきたいと思います。

たとえば、患者側の手元に残された医師から渡された診断書、治療費の領収書、診察券、処方された薬剤の記録などがそれです。こうした資料は、たとえば医療側がカルテなどの証拠資料を書き換えてしまった場合、その矛盾を突くための証拠として、思わぬ力を発揮することがあるのです。

また、医師法では、医療事故で患者が死亡し、医師が死体に異状があると認めたときには、死後24時間以内に警察に届け出る義務があると定められています。死体が異状であるかどうかの一般的な判断基準としては、外因による死亡、外因による傷害あるいは後遺障による死亡、診療行為に関連した予期しない死亡、手術などの診療行為中,または直後の死亡、死因が明らかでない死亡などが挙げられます。異状死体の届出を受けた警察は、医療過誤による業務上過失致死を含む刑事犯罪の疑いがあると思われる場合は、死体を解剖にふして死因の究明を行います。

医療過誤が起こったと思われる場合、患者側はこうした手続きがただしく行われたかをチェックする必要があり、場合によっては行政解剖を要求することも必要となるでしょう。

書式及び参考資料

注意事項

利用者の皆様に提供する回答は、弁護士の法的助言にかえることはできません。あくまで、ご自身の判断の一助にしてください。