外国人

労働と法の適用

憲法の適用

外国人の労働と関連のある憲法の条文としては、
憲法27条2項「賃金、就労時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」
憲法28条「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」
が挙げられます。
これらの人的主体は「日本国民」ではなく、「勤労者」であることからも、労働法は外国人労働者にも適用されると考えられています。

労働基準法・職業安定法・その他関係法

労働基準法3条「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取り扱いをしてはならない」とされています。

労働組合法5条2項では「何人も、いかなる場合においても、人種、宗教、性別、門地又は身分によって組合員たる資格を奪われないこと」を労働組合の規約に含まなければならないとされています。

職業安定法3条「何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介、職業指導等について、差別的取扱を受けることがない」とされています。

昭和63年1月26日基発50号、職発31号「職業安定法、労働者派遣法、労働基準法等労働関係法令は、日本国内における労働であれば、日本人であると否とを問わず、また、不法就労であると否とを問わず適用されるものであるので、両機関は、それぞれの事務所掌の区分に従い、外国人の就労に関する重大、悪質な労働関係法令違反についても情報収集に努めるとともに、これらの法違反があった場合には厳正に対処すること」とされています。

雇用保険法「日本国に在留する外国人については、外国公務員及び外国の失業補償制度の適用を受けていることが立証された者を除き、国籍のいかんを問わず被保険者として取り扱う」こととされています。

国民年金・厚生年金、健康保険などの社会保険は、外国人労働者についても、適法な就労か否かを詮索せずに適用されることになっていますが、関係機関は不法就労が判明した場合には出入国管理局に通知することになっています。
また国民健康保険は外国人であっても1年以上の滞在が見こまれる者に適用されることになっています。

労災保険は、適法な就労かどうかを問わず外国人に適用されますが、不法就労者が労災認定の申請をした場合、労働基準監督署の実務では、原則として入管当局に通報しない方針が採用されています。また、労災について民事訴訟により損害賠償を請求する場合、不法就労であるからと言って休業損害に対する賠償が否定されることはありません。

このように、国籍による差別的取扱は禁止され、さらには不法就労者にも基本的には労働関係法令の適用があることが示されています。

人種差別撤廃条約

人種差別撤廃条約5条「締約国は、特に次の権利の享有に当たり、あらゆる形態の人種差別を禁止し及び撤廃すること並びに人種、皮膚の色又は民族的若しくは種族的出身による差別なしに、すべての者が法律の前に平等であるという権利を保障することを約束する」とされています。
さらにその中に、「労働、職業の自由な選択、公正かつ良好な労働条件、失業に対する保護、同一の労働についての同一報酬及び公正かつ良好な報酬についての権利」が列挙されています。

書式及び参考資料

注意事項

利用者の皆様に提供する回答は、弁護士の法的助言にかえることはできません。あくまで、ご自身の判断の一助にしてください。