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2018年度

平成30年02月20日

最高裁、強制わいせつに「性的意図」は不要

最高裁が半世紀ぶりに判例を変更

昨年11月29日、強制わいせつ罪の成立には行為者の「性的意図」を必要とするか否かが問われた上訴審で、最高裁大法廷は性的意図は必要としないとするこれまでの判例変更を行い、被告男性の上告を棄却。懲役3年6月とした2審の大阪高裁判決を支持して、有罪判決が確定しました。

山梨県の被告男性は2015年1月に女児の体を触る様子をスマートフォンで撮影したとして強制わいせつ罪等で起訴されましたが、「金を借りようとした知人にその条件として女児の裸の写真の送信を強要されて撮影したもので、性的意図はなく強制わいせつ罪は成立しない」と主張。過去の最高裁の判例を否定した1審・2審判決を不服として最高裁に上告していました。

今回の判決で最高裁は「性的意図を一律に強制わいせつ罪の成立要件とすることは相当でない」と裁判官が全員一致。1970年の最高裁判決の「強制わいせつ罪の成立には行為者の性的意図が必要」とした判例を約半世紀ぶりに変更しました。

一般国民意識とかい離した過去の最高裁判例

1970年の最高裁判決では、内縁状態にあった妻に逃げ出された男性が逃亡を手助けした女性を脅迫、復讐を目的に裸にした女性の写真を撮影したことで強制わいせつに問われた裁判において、強制わいせつ罪(刑法176条)の成立には「性欲を興奮させたり満足させたりする性的意図が必要」と判断。その後、一般国民の感覚からかい離した判決ではないか批判が絶えませんでした。

今回の最高裁判決では、被告男性が知人男性から金を借りる条件として「性的意図」なしに女児の体を触るなどしたことで強制わいせつ罪が成立するかが争われましたが、近年の性犯罪に対する社会の意識の高まりや性犯罪厳罰化などを定めた昨年の刑法改正などに触れ、「今日では被害者の受けた性的被害の内容や程度にこそ目を向けるべき」「判例は維持しがたい」と判断。なにかと批判のあったこれまでの判例を変更しました。

書式及び参考資料

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