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2018年度

平成30年03月20日

高齢化で民法相続見直し、配偶者に居住権

40年ぶりに民法の相続分野を改正

高齢化の急速な進展などを受けて民法の遺産相続のあり方について検討してきた法制審議会の民法部会(法相の諮問機関)は今年1月、遺産分割の際の配偶者保護を柱とした改正要綱案を取りまとめました。民法の相続分野の見直しはおよそ40年ぶりで、改正案が国会に提出される見通しです。

これまでも残された配偶者が夫婦で住んでいた建物の所有権を相続して住み続けることは可能でした。しかし、子供がいる場合は配偶者の法定相続分は遺産総額の2分の1のみのため、子供に相続分を与える目的で家を売却するケースも多々見られました。さらに、配偶者が建物の所有権を取得した場合、預貯金などの相続財産が減ってしまう結果、生活が苦しくなるケースもありました。

今回の改正案では、遺産分割の際の選択肢として配偶者相続人がこれまで住んでいた家に住み続けられるよう、終身あるいは一定期間の「配偶者居住権」を所有権と切り離す形で新設。居住権の評価額は土地・建物より低くなるので、配偶者の預貯金などの相続財産を増やすことができます。所有権を相続した子どもが家を売却したとしても居住権は原則終身行使できますが、譲渡や売買はできません。

遺産分割前に預貯金を引き出せる新制度も

さらに、家や建物が配偶者以外に相続や売却される場合でも、配偶者は相続開始から6カ月間はそのまま無償で居住できるようにする「配偶者短期居住権」を新設するとともに、生前贈与や遺言で配偶者に与えられた居住用の土地・建物については、結婚から20年以上経過すれば原則として遺産分割の対象から外すことなども盛り込まれました。

また、これまで自筆証書による遺言は本人の自筆で書かなければなりませんでしたが、今回の改正案ではパソコンで作成した財産目録を添付できるようになるとともに、これまで弁護士などに預けるか自ら保管しなければならなかったものが法務局でも保管できるようになります。

ほかにも、亡くなった被相続人の介護などをした相続人の親族(妻など)が、要件を満たせば相続人に金銭を請求できたり、相続人が遺産分割前でも預貯金を引き出せるようにする「仮払い制度」の新設も盛り込まれました。

書式及び参考資料

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