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2018年度

平成30年04月20日

芸能人の移籍制限は独禁法上、問題

公取委有識者検討会の報告書で指摘

芸能界など特定の技能が必要な業界において、移籍や独立を難しくする契約や慣習が存在することは以前から指摘されてきました。

しかし、タレントやスポーツ選手が個人事業主として企業と交わすフリーランス契約が労働法、独占禁止法どちらの管轄になるかはこれまで曖昧で、一種の空白地帯となっており、十分な法的保護がなされてきませんでした。

公正取引委員会の有識者検討会はこうした問題の実態を把握するため、芸能事務所やスポーツ協会などへの聞き取り調査を行ってきましたが、今年2月その報告書をまとめました。

その報告書では、上記のような個人事業主は労働者であると同時にケースによっては事業者として独占禁止法の適用も可能で、労働・独占禁止両法の法的保護を受けることができると結論づけられました。検討会では、フリーランスで働くIT技術者なども検討の対象とするとしています。

事務所側の判断で契約を一方的に更新

今回の報告書では、複数の芸能事務所の契約書のひな型が契約更新の際に所属タレントが拒否しても事務所側の判断で契約を一方的に更新できる内容だったことが確認され、独占禁止法の「優越的地位の乱用」に抵触する可能性があると指摘されました。さらに、芸能事務所がその優越的地位を利用して移籍志望のタレントを干したり、ネガティブ情報を流すなどといった不利益を課す行為も、独占禁止法上の問題があると指摘されました。

一方、芸能事務所やスポーツチームなどは所属タレントや選手の育成費用等が重い負担となっているなどを鑑み、育成費用の回収については正当化できると指摘。芸能・スポーツ界の特殊事情にも理解を示して、事務所などが自主的に問題となり得る行為の点検を行って問題を未然に防ぐべきだとしています。

書式及び参考資料

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